すこやかな生活

 

根拠のない 大丈夫 が無性に聞きたい夜がある。

どんなにボコボコに凹んでも、それは通過点でしかなくて、結局時が過ぎればしょうもないただの点になるということを私は知っている。 だから何も悩む必要はないのだ。 わかっている、わかってはいるけれども、心中穏やかではない。 

すこやかでおだやかな生活がしたい。動物と暮らして、笑いながら仕事をして、毎夜味噌汁の湯気を眺めながら手を合わせ、今日あった些細な出来事を話したい。 夜は早めに眠りにつきたい。 朝日を全身で浴びたい。 

落ち着いたら、と思うのはやめにした。人生、きっと落ち着くことはないという事を何となく悟ったので、わたしは走りながら考える術を身に付けなくてはならない。 わたしたち、生まれた時からもうすでに始まっていて、そして終わりに向かっているのだから。