ひか って いた

 

神様なんていないよ 

そう言いながら過保護になるほど大切にしていた

あのバンドの音楽はきっと君にとっては

神様みたいなものだったんだよね

どうしようもないほどに途方にくれた夜 

イヤホンから流れる苦しいほどの愛

もう聞き飽きてしまったそのことばも

今となっては君の優しさだったとわかる

 ひっそりと立てた誓い

あっけないほど脆く崩れていったね

 ため息の合間 わかってた、

君はもう僕の名前を呼ばない

 

からんと音を立てた氷 

汗をかいたコップには君が作った

僕の家のものより薄い麦茶

クーラーは嫌いだから、ってうだりながら扇風機 

宇宙人ごっこ 今は昔

 

 気持ちを前にしてことばが詰まる

嘘になる前に言ってしまいたい

 

ひかっていた